ハチミツ×シュガー



 トレーを持ってキョロキョロ私を捜してる斉藤くんに、手を挙げた。

 私を見つけると、とたんに笑顔になる。



「ありがとう。いくらだったかな?」


 席に着いた斉藤くんに聞くけど

「いらないよ」

 言って、バーガーを袋からバリバリ剥き始めた。



「えっ だ、だめだよっ」

「俺が誘ったんだから。
 如月から貰うつもり無いよ」


 言いながら、ポテトを口いっぱい含んでモシャモシャ食べ進める。



「えっと……ありがと。
 いただき、ます」


 申し訳ない気持ちでいっぱいで、声にならない声で返事をした。





「――てかさ、同じ学校の奴ら結構いるな」


 コーラを飲みながら小声で話し始めた斉藤くん。


「嘘……私、全然気づかなかったよ?」

「あ――…如月、ボーっとしてるからな」



 言われて、少しムッとしながら周りを見渡すけど。

 やっぱり気付かない私を見て、大爆笑の斉藤くん。


 ……酷いわ(泣)



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