ハチミツ×シュガー

「私達は何も知らずに、イトコとして会ってた。
　皇は私の大好きなイトコのお兄ちゃんで……皇も私を本当の妹の様に可愛がってくれた。

　……本当に、何も知らなかったの。
　皇も、私も…」




　――それが変わったのは……



「――私たちが、５歳の時に叔父さんと叔母さんが事故で亡くなったの。

　……皇を置いて」


「―――っ」



　斉藤くんはもう、言葉が出なかった。

　……私も話すことが辛くて。
　あの時の記憶が頭の中を駈け巡る。



「それから、皇は私の家に引き取られたの。

　……しばらくしてから色々あって……私達が本当は血を分けた双子だと知ったんだけどね」



　話をもう終わらせたかった。


　皇から無邪気な笑顔を奪わった日を……思い出してしまうから。



．