ハチミツ×シュガー
『俺と、付き合って』
斉藤くんは、私を『好きだ』と言った。
でも……私は友達だと思ってた。
一年生の時から変わらず優しくて。
いつも笑顔で話しかけてくれてた斉藤くん。
「お願いだから…『はい』って言って」
ゆっくり近付いてくる彼の顔。
10センチの身長差のせいか、アッという間に距離を縮める。
「――だめっ」
押し出そうとした手を掴まれた瞬間。
「――ん…」
斉藤くんの唇が、隙間無く……私の唇に重なった。
「だ……め…っ」
息も出来ないくらいに、隙間を与えてくれない。
酸欠のせいで力が入らなくなった、その時。
「…――でさぁ!
なぁ、彼方も知ってるだろ?」
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