ハチミツ×シュガー



 西城くん…!?



「ふっ……んん」



 ――呼び名が…っ


 あの声は小沢くん?

 どうして?

 何でこんな偶然?!




 必死であがく私に、斉藤くんは容赦なく力で押さえつける。


「――やっ」

 少しの隙間からやっと声が出せたけど。

 斉藤くんはそれでも、私を放してはくれない。





「……なぁ…なんか声しなかったか?」


 男の子が私の声に気づいたのか、あたりを探ってる。





「――っ如月!」

「いやっ 放して…!」


 私の腕を掴んでいた手が一瞬緩んだ隙に、私は逃げ出した。



バシャッバシャッバシャッ



「うっわぁぁぁあっ!」



 水の中から出てきた私に誰かが悲鳴を上げるけど。

 そんなの、気にしてられない。



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