ハチミツ×シュガー



「――如月…?」


パシャ…

「あ…」



 立ち止まったら、ダメ。


 でも…。

 彼の声に、足が止まってしまった。



 水に足を浸して声の方を向くと、目を見開いて私を見る西城くんがいた。






「――如月っ」


 後ろから、斉藤くんの必死な呼び声。



 ――捕まっちゃう!


 私は西城くんから目を逸らし、そのまま走った。



「…え…っ?健太ぁ?!」

「――お前っ」



 小沢くん達の焦った声がする。

 私は水に足を取られてうまく走れない。




「――待てってっ!」

「いやっ」




< 466 / 771 >

この作品をシェア

pagetop