ハチミツ×シュガー



バシャバシャッ

 とうとう掴まってしまった。



「ハァ…ハァ…俺から、逃げるなよっ」
「放して…っ」



 こんなっ

 西城くんの目の前でこんな事!




 涙が次から次へと溢れてくる。

 全身びしょ濡れの私達。


 斉藤くんが必死に私の腕を掴むけど、私はそれを振りほどく。








「――放せ」





 ……やめて…。



「なっ…
 彼方には関係ないだろ」



 私の後ろからの低い声。

 斉藤くんは私の後ろを、睨みつけるように見てる。




「二度は言わない。

 ……放せ」




 ――やめて。


 もう、放っておいて。



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