ハチミツ×シュガー
気付くとここは……私達の高校。
「入るぞ」
そう言って、当たり前のように門を開けて中に入っていく。
私は一瞬戸惑ったけど……とりあえず、後ろをついて行く事にした。
校舎も校庭も、やっぱり真っ暗で。
「くしゅっ」
そういえば……さっき噴水の水を浴びて、濡れたままだった。
「――開いてる。……行くぞ」
「えっ それはいくらなんでもっ」
私の言葉なんて最初から聞こえてないみたいに、窓から廊下に入っていった彼。
中から『早く来い』的な目で見られたので……気は進まないけど、よじ登って中に私も入った。
「――流石に教室は……」
窓を閉めて、とりあえず目に留まった空き教室の扉に手をかけたら……
カラカラ…
「……開いちゃった…」
西城くんは無言で中にスタスタと入っていく。
私も静かに後に続いた。
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