ハチミツ×シュガー



 そこは会議用の長い机とパイプ椅子が置いてある部屋だった。



「……埃くせぇ」


 西城くんが窓際に体を預けて、こちらを見る。
 私は離れた場所で立ち止まったけど…


「――遠い」

 西城くんの言葉に、数歩近付いて、机に軽く腰を掛けた。



 二人黙ってるから余計に落ち着かない。

 西城くんがどうして私をここに連れてきたのか、全く分からない。




「如月」



 今までと変わらない彼の声に、ピクリと体が反応してしまった。




「あんな所で斉藤と何してたんだ?」



 見てはいけなかったのに、見てしまった彼の顔。

 私のこめかみに、ツーッと汗が流れた。



< 472 / 771 >

この作品をシェア

pagetop