ハチミツ×シュガー



 段々と俯いていた顔をゆっくり上げると。

 窓から差し込む月明かりが、彼を照らしていた。


 でも……光を背にしてる彼の表情は、暗くて分からない。

 ただ、こちらを見ていることだけは分かった。




 その彼の視線に、耐えられなくて……

 私はそのまま顔を背けてしまった。





「……されて、の続きは?」


 そんな私を気にするわけでもなく……そう言った彼の動く気配と共に、顔を上げた。


 彼が一歩、一歩、近づくにつれ……月の光が彼の顔を明るく照らし出す。

 左半分が月に照らされて……彼のキレイな顔を、より綺麗に見せた。





「……され、て…」



 喉が、渇く。



「――早く」


『言え』とばかりに、私のすぐ目の前に来た彼。

 急かすように、鋭い視線を落とす。



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