ハチミツ×シュガー



 ……と、言いますか。


 私達って今はもう、何でもない、ただのクラスメイトだよね?


 それなのに……

 後ろめたい気分がするのは何故?



「――それ、だけ…」


「……は?」


 私が下を向いて呟いた一言に、彼は苛立ちを隠さない。


「何、それ」

 下を向いてる私でも分かる。
 彼の苛ついてるであろう姿が――。



「俺に言えない事、してたのか?」


 彼の声が私の頭上から聞こえて……息が額にかかり、私の髪を揺らす。



「……言えないんじゃなくて…言わない、の」



 ――息が止まりそう。


 あの別れがあったのに……今も私を気にかける理由が、分からない。



 これは嫉妬とは違う。

 きっと、暇つぶしみたいなもの。



 ――そう思いたいの――…




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