ハチミツ×シュガー




「……何だよ、それ」



 彼の呟いた声。

 ……勘違いしそうになる自分を必死に止める。



「西城くんには、関係ない…っ」

「何? それ本気で言ってんの?」


 顔を上げられない。

 眉間にしわを寄せて目を閉じてる私。


 ……きっと、表情で分かっちゃうから。




「――帰る」


 そう言って一歩、歩き出した。
 このままここにいちゃいけない。



 もう…隠しきれない。


 溢れてしまう。


 涙も、ココロも……。




「――ふざけんな」



 立ち去ろうとした私の腕を力一杯掴んだ彼。



「――アイツに何された!?

 ……言えっ!」


 掴まれた腕が痛すぎて声にならない。

 それでも……俯いたまま、黙るしかない私。




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