ハチミツ×シュガー
「楓、いい。
俺がやるから座ってろ」
キッチンに立った私に、手でどけと言う。
「……分かった。お願いします」
有無を言わせない空気に、冷蔵庫を空ける手をどけた。
そんなこんなで、結局、いつもより20分早く用意を済ませてしまった私。
暇を持て余してしまって、リビングのソファーで横になった。
『……お願いだから、逃げないで』
「楓!」
「ひやぁ」
いきなりの皇の声に、飛び起きた。
皇は呆れた顔で、「早くご飯食べて」と言って、ダイニングテーブルに座った。
私も慌てて席に着く。
私……何の夢を見てた…?
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