ハチミツ×シュガー



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「おはよう」

「おはよう!」



 みんなが挨拶し合う中、私は久しぶりに一人で登校していた。

 皇はさっきクラスの子に捕まって先に行ってしまって。滅多にない一人での登校に少し寂しさを感じながら、私はゆっくり自分のペースで歩いていた。


 ――今日もいい天気。



「如月おはよっ」


 突然呼ばれた声に振り向くと、人懐っこい笑顔で挨拶してくれた男の子がいた。

 彼は、野球部のクラスメイト。



「斉藤くん、おはよう」


 私の挨拶に、可愛い顔をニコッとすると、そのまま当たり前のように隣に並んで歩き始めた。


 中性的な、女子からみても“可愛い”という形容詞が良く似合う顔と、低い身長。
 低いって言っても私よりも、10センチ以上高いから見上げる感じになるけどね。



「今日は片割れ一緒じゃないんだ?」

「うん。
 皇はクラスの子に会って、先に行ってるわ」


 斉藤くんは一年の時も同じクラスだったから、私が比較的普通に話せる、数少ない男の子なの。



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