ハチミツ×シュガー



「ごめんなさい。まだ勉強会やってて…」



 少し、震えてしまった声。


 西城くんは気付いたのか、

『――楓、大丈夫か?』

 優しく、ゆっくりと聞いてきた。



 瞬間、私の心臓はキュン…と苦しくなる。


 それでも心配させたくなくて、明るい声で返事をすると、彼も安心したみたいに『ならいいけど…』と、柔らかい声になった。



「あの、ところで…」


“勉強会の子達と遊園地行くんだけど、もし良ければ西城くんも一緒に行きませんか?”


 そう送ったメール。


 西城くんの電話はきっとメールの返事の事だよね?




『ああ、さっきの返事だけど…』



 ――ほら、やっぱり。



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