ハチミツ×シュガー



『いいよ、一緒に行っても』

「えっ……本当に本当っ?」



 正直断られると思ってたから、びっくりしてしまって。かなり大きな声を出してしまった。




 どうしよう…っ


 嬉しいのと、斉藤くんの事を考えると、ちょっと複雑で……。



『ははっ 行かない方が良かった?』
「ち、違うよっ」


 そうじゃなくて…っ



『――夏休みにデートしようって、約束してただろ?』





 ……覚えてくれてたの…?



 それは、私達がさよならする前にした約束。




『もう日がないし、ちょうど良いだろ』



 西城くんは、どこまでも優しい。



「……ありがとう」



 ――ほら。


 また彼を好きになる。



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