ハチミツ×シュガー



 斉藤くんはGパンにTシャツ、かなりラフな格好で遊ぶ気満々な感じ。



「如月、今日はポニーテールなんだな」


 突然私の髪をサッと掴んで、『やっぱ女子はポニーテールだよな』なんて、一人でうんうんと納得し始めた。


「今日は思い切り遊びたかったから」

 私が笑顔で答えると、斉藤くんは目を見開いて顔を背けた。



 ――…私、何かマズい事言ったかな?

 不思議に思って斉藤くんの顔を覗き込もうとしたら…


「おい、そこの天然娘」

 低い声が私の後ろ、頭上から聞こえた。



「彼方っ」

 斉藤くんが真っ赤な顔で何故か焦ってる。



「西城くん?」


 何故こんなにも斉藤くんが焦ってるのか。

 何故西城くんが機嫌悪い声なのか…。


 謎な私はそのまま振り返り、西城くんの顔を見上げた。



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