ハチミツ×シュガー



 真弓と洋子ちゃんは苦笑いで私においでと手を振る。私は眉間にしわを寄せながら、みんなの後をついて行った。



「ねぇ!ジェットコースター乗ろうよ♪」


 電車の中、亜衣ちゃんは手すりにぶら下がりながら元気に提案してくる。


 ……ジェットコースターって……


「私パス」
「私も…」

 洋子ちゃんに続き、さり気なく私も無理だと手を挙げると、亜衣ちゃんは明らかに不機嫌になり頬を膨らませた。



「如月は何乗りたいんだ?」

 座ってる私の前で手すりに軽く掴まりながら西城くんが聞いてきた。


 ――…何って……


「……激しくない乗り物、とか…」


 私がポツリと零した一言に
「アンタ何のために遊園地行くのよっ」
 と、隣の真弓から鋭いツッコミを頂きました。



「……じゃあ、お化け屋敷は必ず入ってよ」


 その言葉に『無理!』と言おうと亜衣ちゃんを見るけど。

「は、い…」

 亜衣ちゃんの眼力に負けてしまった私。


 素直に返事をするしかなかった。



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