ハチミツ×シュガー
“お兄ちゃん”と“彼氏”のそんな会話を知るはずもなく、みんなでキャーキャー騒ぎながら、ゲートをくぐり抜けた。
夏休み最後の週だからか、思ったよりも人が少ない。
それでも学生が多いみたいで、グループで歩いてる子がたくさんいる。
「最初は何乗る?」
ゲートで貰った地図を見ながら斉藤くんがみんなに聞くと、
「「やっぱメリーゴーランドからっしょ!」」
珍しく田村くんが亜衣ちゃんと被せながら、興奮した様子で叫ぶ。
「……マジかよ」
西城くんが顔を引きつらせるけど、すでに二人はメリーゴーランドの場所まで走って行ってしまった。
後ろから真弓と斉藤くんがお腹かかえて笑いながらついて行く。
「――今日ここに来た事を後悔しそうだ」
そう呟いた皇は、洋子ちゃんに腕を引かれてその後ろをついて行く。
「ね、早く行こう?」
私も西城くんに手招きしながらみんなの元へと急いだ。
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