ハチミツ×シュガー




「――如月」


 呼ばれて、振り返った瞬間。


「…あ…っ」


 西城くんが私の手首を掴んだ。



「こっちのがいい」


 そう言って、優しく手を繋いできた。



「あ、でも…」


 一気に顔に熱が集中する。

 みんながいるのに……。
 皇も斉藤くんも、真弓も、みんないるのに。



「――大丈夫だから。
 行くよ」


 そのまま私の手を掴んで先を歩いてく。





 ――どうしよう。

 胸がドキドキして仕方ない。


 心臓が壊れそうな程に早鐘を打ってる中、西城くんはスタスタとみんなの元へと歩いていく。

 私は顔が赤くなってるのが恥ずかしくて、恥ずかしくて。

 それでも、嬉しくて。


 彼の手をギュッと握り替えして、静かについて行った。




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