ハチミツ×シュガー
ちょうどその時。
私と西城くんはみんなと合流した。
メリーゴーランドは子供達が沢山並んでいて、20分ほどの待ち時間。
そんな中、斉藤くんと真弓は少し離れた場所で話していた。
「斉藤…」
「――実は、さ。
俺と如月、一年の時同じクラスで席替えのたんびに席が近くてさ。
気付いたら、アイツが気になって仕方なかったんだ」
フッと悲しげに笑う斉藤くん。
昔を思い出してる様に、目は遠くを見た。
「斉藤は……その時から楓を…?」
「ははっ 多分、な。
ハッキリ気付いたのは、彼方が如月を追いかけ始めた時だけど…」
真弓に苦笑いを見せて、顔をまた少し下に向けた彼。
「2年で彼方と同じクラスになって気づいた。
彼方の視線はいつも如月に向いてるって。
だから、本当はすげー辛いけど……応援したいんだ。
彼方が如月をどれだけ見てたかを俺は……俺だけは、知ってるから…」
そう言った斉藤くんは、いつもの爽やかな笑顔で真弓に笑いかけた。
「だから安心しろよ。
横取りしよう何て考えちゃいないし、彼方の事も俺、好きだからさっ」
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