ハチミツ×シュガー
「楓ちゃん愛されてるね〜」
洋子ちゃんがアイスティを飲みながら一人、静かに言う。
「西城、凄いな。
如月への気持ちだだ漏れだよ」
田村くんもその隣でうんうんと顔を縦に振ってる。
そんな二人の視線の先には、私と西城くんが座って二人で話してる姿がある。
「さっきの要望に応えて、あれ、乗ろう」
西城くんがアイスコーヒーを飲みながら指差す。
私はその指の先を辿っていき……
「絶対、イヤ…」
泣きそうになった。
「俺が隣で手を繋いでも?」
私の顔をのぞき込むように見る。
私は顔を下に向けながら、アイスミルクティーをストローで吸う。
「……それでも、イヤ」
私が口を尖らせて言うと、ははっと笑って私の頭をちょっと乱暴に撫でる。
私は嬉しくなるけど口は尖らせたまま、気付かれないように俯いた。
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