ハチミツ×シュガー
夏の日差しはまだまだ厳しくて、15時過ぎの今も容赦ない。
「じゃあ、私は皇くんと乗るから、楓ちゃんは西城くんとね」
私が暑さでボーっとしてる間に洋子ちゃんはさっさと決めてしまった。
「――4人で乗るんじゃないのっ?」
「何言ってるの〜?
あんな小さいボートに4人乗るなんて無理でしょ?
……まぁ、皇くんと西城くんを並べて座らせてイケメン観察っていうのも考えなくは無かったんだけど…ってか、見てみたかったけど……」
洋子ちゃんが最後の方はブツブツ、一人の世界に入ってしまって、聞き取れない。
「じゃあ、俺ら先に乗るから」
やりとりを聞いていたらしい皇はそう言うと、とっとと先に行ってしまった。フッと我に返った洋子ちゃんが慌てて皇の後を追う。
「俺達も乗るか」
西城くんが何故か小さく笑いながら私の手を取った。
私はいきなり触れた手にビックリして彼を見ると。
「他の奴らいたから触れたいのをずっと我慢してたんだ。
……やっと、2人になれた」
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