ハチミツ×シュガー
「……別に…」
少し低い声になってしまった。
けど、西城くんは気にする様子もなく私の視線の先に目をやると。
「――ああ…。なるほど、ね」
目を細めて、その光景を見た。
――何か誤解した?
「あ、の…「そういえばさ」
私の言葉を遮って話をし始めた彼。
私はまた皇との事で誤解させてしまったかと思い、心配していたら……
「田村達といつの間に仲良くなったの?」
言いながら、またオールを手に漕ぎ出す彼。
首を傾げて不思議そうに私に言う彼を見たら、少し、安心した。
「え、と……実は、真弓が夏休み前から皇に勉強を教えて欲しいって言ってたの。
皇の友達の田村くん達と真弓が偶然、塾が一緒で中学生の頃からの友達だったんだって。
で、斉藤くんと田村くん達が小学校からの付き合いで、その、流れ、で…きゃっ」
私が話してる最中、彼はオールから手を放し、突然私の手を握って引き寄せた。
「――で?」
私はグラグラ揺れる船の中、彼の胸に抱き寄せられる。
私はビックリしたのと、恥ずかしいので頭が混乱してる。……なのに、彼は私の頭上で甘い声で続きを促す。
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