ハチミツ×シュガー




「楽しかった〜〜っ!」

「やっぱり人数いると面白いね♪」



 観覧車から降りると、真弓と亜衣ちゃんが笑顔で騒いで私達に手を振ってこちらに駆け寄ってきた。

 その少し後ろから、斉藤くんと田村くんが並んでこちらに向かって来る。



「俺、高いとこダメかも…」

 なぜか田村くんは顔面蒼白。
 その姿に皇は我慢出来なくて吹き出した。



「――笑い事じゃねぇよぉ〜」


 田村くんが泣きそうな顔で皇の肩をバシバシ叩く。
 私達もたまらず笑ってしまった。




「……じゃあ、そろそろ帰ろうか」


 一通り笑い終わった皇が時計を見て言った。




 時刻は19時。


 夏の余韻がまだまだ残ってるはずの今。……なのに、すでに闇が空を支配している。



「そうだね。
 そろそろ帰る時間だね…」


 洋子ちゃんが時計を見て、小さく呟いた。



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