ハチミツ×シュガー



「……試験は受けるけど。
 あそこの大学には行かないよ?」


 真顔で私の頭に手を乗せたまま、サラリと言った彼。



「えっ 何で?西城くんなら合格間違いないって…!」

「俺は最初から行くつもりないよ?楓と同じ大学受けるつもりだし」



 ――何それ!



「そんなのいつ決めたの?!」


 あまりの急な告白にビックリして、彼の袖口を引っ張ってしまった。



「……初めから決めてたよ」


 少しも動じない彼。



 ……何なの?


 今まで絶対に教えてくれなかった進路。

 私が決めかねてたから彼は敢えて話さなかったみたいだけど……。


 でも、何だか寂しい。

 ちゃんと話して欲しかった。



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