ハチミツ×シュガー




『アンタ、誰?
 こうゆうの、やめてくんないかな?マジウザいんだけど』




 中学3年の頃。

 あと1年しかないという焦りからか、西城くんに毎日のように告白していた女の子達。
 その中には可愛い同級生や後輩達がいた。……にも関わらず。

 彼の返事は決まって、これ。




「――あぁ……ヤなこと思い出した」



 私は昔よく見た風景を思い出して気分悪くなってしまった。



「洋子?」

「ごめん。頭痛いから保健室行ってくるね?」


 私が立ち上がると亜衣は心配そうな顔をしながら、


「席替えのクジ、どうする?」



 ――別に…


「どこでもいいから大丈夫。
 亜衣が私の分も引いておいて?」



 そう言った後、すぐに教室を後にした。



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