ハチミツ×シュガー





カラカラカラ…

「失礼します」



 肩を貸して、ゆっくり階段を下りて保健室に辿り着いた。

 正直、私は背が高い方じゃないけど、彼女は女子の中でもかなり低いと思う。
 小さくて、かなりポッチャリしてるという最初の印象。



「あら、どうしたの?」


 清潔感のある、お姉さんのイメージがしっくりくる保健の先生。椅子から立ち上がり私達の元へパタパタと駆け寄ってきた。



「この子は階段踏み外して足首痛めたみたいで。あと、私は頭痛くて……」


 簡潔に説明すると、先生は彼女と私を椅子に座らせた。



「クラスと名前、教えて?」

 先生も椅子に座り名簿を取り出す。



「2年C組、藤井 洋子です」


 私が口を開くと、隣の女の子がガバッと私を見たのが横目で分かった。

 ―――何…?

 知り合い……じゃないよね?


 でも、すぐに彼女は顔を正面に向けながら、


「……2年B組如月 楓です…」


 小さな声で答えた。




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