ハチミツ×シュガー



「いつまで寝てんの!
 もうお昼だよ?!」

「――嘘!」


 ガバッと音がするくらい勢い良く布団から出て時計を見ると。


「――…本当だぁ」


 すでに午前の授業は終わってる時間だった。

 2時間以上眠ってたみたい。



「藤井さん熟睡してたから」


 先生がクスクス笑いながら近寄ってきて、私のおでこに手を当て、


「うん、大丈夫ね。熱はないわ」


 にっこり笑うと、席に戻っていった。



「ほら、教室戻って弁当食べよ?」

「うんっ」


 慌てて上履きを履いて、掛け布団を簡単に畳む。



「お大事にねぇ〜」


 先生に手を振られて、私はお辞儀しながら扉を閉めた。





「なに?寝不足だったの?」


 階段を上がりながら、亜衣が私に聞いてきた。


< 562 / 771 >

この作品をシェア

pagetop