ハチミツ×シュガー



 ――ヤバいっ!



 慌てて落ちたノートやらを拾おうと、椅子から降りしゃがんで拾い始める。


 ヤバいヤバいっ!


 焦る私に影が出来た。


「いや!大丈夫だから座っててっ」


 絶対に見られたくない物がある。それを先に拾うけど……


 あと一冊がない!



 半ばパニックになり、四つん這いになって探してると。



「――なんだ、これ…」


 野太い声が、私の頭上から聞こえた。


 こめかみからはツーと汗が流れ出す。

 ゆっくり見上げると……頭一つ分上に、私の探していた本をパラパラと捲る彼がいた。




「いいぃぃぃやぁぁぁあっ!

 見ないでえぇぇえ!?」



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