ハチミツ×シュガー




 あれから2週間。

 隣の彼とはろくに話さない日々が続いてる。



「洋子〜 帰ろ〜」


 亜衣がすでにドアの前で待ってる。

 私はすぐに鞄を手に、彼女のもとへ急いだ。



「あ…っ」


 私がそのまま教室を出ようと一歩、足を踏み出したら。亜衣が小さな声を出して私の袖を掴んだ。

 視線は廊下の先を見つめたまま。

 私は何だと目線を廊下に向けると


「――西城くん…」


 と、見た事ある女の子が歩いてた。



「……何だろね、あの子」


 亜衣は答えを求めてないように思えたから、あえて私も答えなかった。


 二人の後ろ姿をただ、2人で黙って見ていた。




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