ハチミツ×シュガー
――西城 彼方くん。
私達と同じ中学で、今風なイケメンの男の子。
正直、その辺のアイドルよりカッコイイと思う。
しかもそのルックスから女子からのアプローチが絶えなくて、あまりの鬱陶しさに、女嫌いになってしまったという噂が出てる。
……そんな彼が、女子を連れて歩いてる。
しかも相手はパッとしない、ずんぐりむっくりの女の子。
――あ、れ?
私、何かが引っかかる。
「……洋子?」
呼び声にハッと我に返ると、すでに西城くんの姿は無かった。
「あ――…ごめん、帰ろうか?」
不思議そうな顔で亜衣は見てるけど、それ以上何も言わず、西城くんが向かった廊下を逆へ足を進めた。
あの子……知ってる。
頭の中は、さっきの女の子の姿。
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