ハチミツ×シュガー
「もっと甘ったるいヤツだと思ってた。
――趣味が趣味だし?」
……あれ?
喧嘩売られてる?私。
「けど、下川と同じでサバサバしてる。
見た目とずいぶん違うから、最初の印象が大分変わったな」
……何なのよ、急に。
「それはどうも」
とりあえず、お礼を伝えた。はじめの下りはムカついたけど。
最後の方は褒め言葉と受け取ったから。
「いや、褒めた訳じゃ…」
ガラガラッ
「ほらー、席に着け」
彼の言葉を遮った、ドアの音。
彼は腑に落ちないような顔で机の中から教科書やらを取り出し始めた。
「ぷっ」
吹き出しそうになったのを、必死で我慢しながら授業を受ける。
なんだ、彼も普通の男の子だったんだ。
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