ハチミツ×シュガー






「「いただきま〜す」」


 我が家のダイニングテーブルには、彼が作った料理が所狭しと並べられてる。



「――おいしい…」


 私がまず口にしたのは、肉じゃが。

 特別な材料なんてない。
 シンプルに、ジャガイモと人参、牛肉にインゲンのみ。……なのに、すごく美味しい。



「それは良かった」


 彼は表情を変えずに黙々と食べ始める。



 ウチは両親共働きで、母親は一応役職が付いてるから家に帰ってくるのはいつも遅い。よって、家事全般はほぼ私の役目だ。

 だから料理も人並み……いや、主婦並には出来てるはず。


 ――なのに



「チッ マイナス要素、無いわけ?この男は……」


 ――ムカつく。


 顔とスタイルが良くて、頭脳はトップクラス。スポーツ万能に料理まで出来るって……どんだけイヤミな男なの。如月 皇!



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