ハチミツ×シュガー



「俺には、やっぱりこれの良さが分からないんだけど?」



 そう言った彼の手には、今日買ってきたBLの漫画本。




「な…っ」


 慌てて取り返そうとするけど。彼に差しのばした手を掴まれて、またベッドに倒された。



「ちょっと! 返してよっ」


 私が顔を真っ赤にして抗議するけど、当の本人は顔色変えずに


「――お前、本当面白い」


 フッと笑うと、そのまま私にキスをした。






 ――何なのよ、この男は。




 ひどい人。


 彼女が好きなくせに。

 好きで好きで、たまらない癖に。



 そうして私を利用するの?




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