ハチミツ×シュガー



「――良かった…」



 私の緊張が取れて、ホッと息を吐くと。


「西城が傷つかなくて?」


 ニヤリと笑った彼がいた。



「そうじゃなくて…」

「楓は西城が好きだ。
 好きなら、傷つけるような事するわけないだろ?」



 ――そう、だよね。

 私がいつも見てる二人の姿を思い描いていると…


「安心した?」


 さっきよりも近い声に、咄嗟に顔を上げたら。


「――っ」

 あと10センチの場所に、彼の顔があった。



「近いっ」

「ははっ 顔、真っ赤!」


 胸を押し出すけどビクともしない。


「――ちょっとっ ふざけないでよ!」

 ドンと胸を叩くと、彼はクスクス笑ってたのをやめて、急に真顔になった。

 そしてそのまま、あろう事か、私の唇に彼の唇を合わせてきた。



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