ハチミツ×シュガー
* last *
きっかけは最低だった。
でも、あの最低な出来事があったから、私達は今も“友達”でいられるのよね?
「洋子ちゃん?」
「――…っ な、何? 楓」
やばいっ 一瞬、昔を思い出してた!
私は目の前で首を傾げて見る友達に無駄に笑顔で応えて、紅茶を一口、口に入れた。
「ふふっ 遠い目をしてたからビックリしちゃった」
「ごめん、ごめんっ」
ここは私達の通うN大のカフェ。
西城くんと皇くんも学部は違うけど、同じ大学に通ってる。
私達は授業が休講になったから2人で暇つぶしをしてるんだけど……
本当に世の中って何が起きるか分からないよね?
今は穏やかな気持ちで2人を見ていられる私。
――それってやっぱり……
“彼”のおかげなんだよね?
.