ハチミツ×シュガー



「楓は働きたいの?」

「……働きたいっていうより、彼を支えられる人間になりたいなって思う。

 なのに、このままだと……西城くんの重荷というか、鎖にしかなれない気がして……」



 彼女の彼への愛情を知る度に、彼女が好きになる。

 彼が。西城くんが好きになったのが彼女で、本当に良かったと思う。



 私があまりに静かにしてるから、そっと伺うように私の顔を覗き込んだ彼女。


 もう!本当に可愛いわ!



「“支える”って……色んな方法があると思うよ?」


 安心させるように微笑むと、彼女も笑顔になる。



「西城くんにとって、楓は“特別”だから。きっと、傍にいてくれるだけで支えられてると思うけど。

 楓の心配してるような“依存”にはならないと思うけどね?」



 彼女にも、幸せになってほしい。


 私の大切な“友達”だから。



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