ハチミツ×シュガー



 そろそろ時間かな?



「楓、携帯に連絡入ってない?」


 時計は授業終わり時間を指してる。
 西城くんの事だから終わった瞬間、楓に電話するだろう。



「まだ着信ないよ?」

「そう…。じゃあもう一杯飲もうかな」


 財布を持ち、そのままカフェオレを頼みに席を立つ。
 楓は手を振って外を見始めた。






「ねぇ、藤井さん?」


 ――げっ この声は!



「は、い」


 予想、的中!



「休講になったから食事誘おうと思ったんだけど。なかなか居ないから探しちゃった」


 同じゼミの中川くんが、のぞき込むように隣に並んだ。

 最近よく私に声をかけてくる、爽やかな男の子。



「どうかな? 美味しいレストランなんだけど」


 ああ……、キラキラ爽やかオーラは斉藤くんだけで充分です。



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