ハチミツ×シュガー



 ――な、んで?


「君、悪いけどコイツはもう誰にも触れさせる気ないから。

 諦めて?」



 ……何を言ってるの?この人。



「ちょっと…っ」


 体をよじって引きはがそうとすると、思いの外あっさりと離れた体。



「どうゆうつもりっ?!」


 私が怒ってるのに、彼は相変わらず真顔で見下ろす。
 視界の端で、中川くんが慌てて走り去るのが見えた。

 でも、関係ないギャラリーは数人いたりする。



「何で皇くんが邪魔するのよ!
 せっかく中川くんが言ってくれたのに…!」



 私も幸せになれると思ったのに……!



 私の真っ直ぐな怒りに皇くんは少しも動じないで、ただ、一言。


「藤井はアイツが好きだったのか?」



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