ハチミツ×シュガー

「全部よ…！

　全部、気に入らない…っ」



　ああ……やめて。



「最初から今までっ
　全部、気に入らないのよ！」



　止まってよ、私。




「――何だよ、それは」


　私が何を言おうとしてるのか、分からない彼は、眉を寄せて困ってる。



「皇くん……何で私にあんな事したの？

　―――好きじゃないなら……もう放っておいて…！
　お願いだから……もう…っ」



　涙が止まらない。


　よく言うよね、私も。

　私だって、彼を西城くんの代わりにしたのに。皇くんと同じ事したのに。


　最終的に気持ちが動いてしまったのは私だけだったって事で、彼には関係ないのに。

　抱き締められてるこの瞬間ですら、“同情”でしかないのに――…



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