ハチミツ×シュガー



 放課後に亜衣と話した、日…?


 ――あっ!


『話を聞いてなかったのは事実だし、ズルしたくなかっただけ』


 あんな、事で?

 ……んなバカな…。


「ははっ そんな事でって思ってるかもしれないけど、何気に出来る事じゃないよ?
 普通あんな状況だったら、たいていの人は答えを言ってるだろうし。

 でも、洋子はそれをしなかった」


 チュッ軽く音を立てて、私の頭にキスを落としす彼。


 ――甘々過ぎやしませんかっ?



「あの時、よっぽど俺が嫌いなんだと思ったけど……

 全然、違った。

 自分に厳しい女の子だった。
 それに気付いた瞬間。

 洋子が、好きだって…」



 ついさっきも同じ様な話を聞いたばかりだったのに。
 でも、さっきとは違う、彼の心の中が分かった私は……大粒の涙を流してた。

 ――そんな前から、私を好きでいてくれたんだ。



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