ハチミツ×シュガー



 気付けば、ずっと2人を目で追いかけていた。


 如月といないあの子は、誰とも目を合わせないで淡々と時間を過ごしている。


 お世辞にも可愛いとは言い難い容姿だけど、もとより自分の容姿で嫌な思いをしている俺には、何の思いもなくて。



 ……ただ。

 如月といる時の彼女の笑顔が、素直に“好きだ”と思っただけで。




 後半は彼女ばかり探しては、見ていた。












「あ… マジで……?」



 桜がまだ舞う4月。


 俺は2年になり、自分の名前のあるクラス替え表に、彼女の名前を見つけた。




 彼女の名前は、


 如月 楓。


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