ハチミツ×シュガー



 ……マジかよ…。



「――そうか…。
 分かった。勉強頑張れよ」


『うん。 本当にごめんね。
 彼方も、ちゃんと休んでね?』



 アイツの声の震えに、気付かなかったわけじゃないんだ。

 ただ、気付かない“フリ”をしてたんだよな、俺は。



 ……お前がいなくて、休まるわけないだろ?


 『ちゃんと休んでね?』


 そう言ってくれた彼女に、「分かった。じゃあな」それだけ言って、電話を切った。




「はぁ…。 とりあえず飯でも食べに行くか」






 ――行かなきゃ、良かったよな。


 こんな事になるなら。






 アイツはどこまでも


 俺を狂わせる――…




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