ハチミツ×シュガー
「うん、うまいっ」
俺の一言に、「当たり前だろ」と言った後、
「…彼方、ちょっといいか?」
まだ一口しか口にしていないプリンをテーブルに置き、俺の目をまっすぐ見て聞いてきた。
「…何?」
…俺だって、バカじゃない。
皇が何の話をしたいかなんて、分かってるんだ。
「……楓の、事なんだけど…」
――ほら、な。
この一ヶ月…
アイツと連絡取らずにいる事を、片割れの皇が知らないわけ無いよな。
……むしろ。 俺に気を使って、今まで黙っててくれてたんだろう、皇は…。
「俺からこんな事言うのは間違ってるって、分かってる。……けど。
そろそろ、楓の話を聞いてやってくれないか?」
いつも表情を崩さない皇なのに。
今は珍しく、眉を下げて言ってきた。
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