ハチミツ×シュガー



「――愛してる。


 好きなんて、そんな優しいもんじゃないだ……」



 涙を流し続ける俺に、彼女は、ゆっくりと唇を合わせた。



「彼方… 愛してる。

 アナタが好きで、愛しくて、たまらない。
 アナタしか、いらない。

 ――だから、どうか…」




 ずっと、一緒に……









 最後まで、聞けなかった。



 俺は息も出来ないくらい彼女を抱き締めて。


 彼女も俺を強く抱き締めて……


 2人涙が枯れるまで、声が枯れるまで、愛の言葉を囁きあったから……。




「愛してる」


「私も、愛してる…」




< 701 / 771 >

この作品をシェア

pagetop