ハチミツ×シュガー

「かえで……」

「ふ………うぅ〜〜〜やだよぉ…………行きたくないよおぉぉぉ…！」



　子供の様に泣き始めた彼女に、俺は困り果て周りをみた。



「…………」



　なんだ………。






「……かえで。 本当に行きたくないなら……行くな」



　言われた言葉が意外だったのか、しゃくりながら楓はゆっくりと顔を上げた。

　その姿に胸が痛くなって、両手で頬を包んだ。





「楓はずっと俺のそばにいればいい。

　誰のところにもいかないで、俺の隣にいればいい。


　お前と離れるなんて俺だって耐えられない」



　その言葉に、彼女は目を見開き身動きしない。



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