ハチミツ×シュガー
「俺の彼女と廊下でずっと息潜めてた彼方に言われたくないけど?」
俺の言葉に彼方は罰悪そうに目をそらし、彼女は顔を真っ青にした。
「洋子。 おいで」
伸ばした手に吸い込まれるように。
彼女は一歩、一歩近づいてくる。
……その表情は恐怖を感じて真っ青だ。
「……チッ 帰る」
「えっ ……きゃあ!」
彼方は楓をまるで荷物を運ぶかのように肩に担ぐと、そのままリビングから出て行った。
静かになったリビングには、俺と洋子だけ。
「あ……え、と――そう!
荷物、あの二人忘れてるよね!
いま電話で」
「―――洋子」
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