ハチミツ×シュガー
「ね、一緒に行こうよ。
それで、一緒に帰ろう? そしたら――」
「やだっ! 皇ちゃんとは行かない!」
初めての、拒絶。
涙をポロポロ流して僕に言った言葉に、楓自身も傷ついて―――
「ご、め……ごめんなさ……こうちゃ…………うぅ………うわぁぁぁぁぁあん」
昔のように声を上げて泣く楓に、僕は言葉を無くした。
「皇、先生にはお母さんから連絡しておくから…」
「……うん。 行ってきます」
どうして僕と行きたくないのか分からなくて……でも、楓の辛さだけは分かったから、僕は一人、涙を堪えた。
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