ハチミツ×シュガー
「二人とも、もう一度三田君に中学生やらせるつもり?」
呆れたように立花先輩が口を出す。が、
「それも可哀相ですか…。
正直、俺は三田先輩より立花先輩に戻って欲しいですけどね」
ニッコリ笑って立花先輩を口説くコイツは……三田先輩に刺されてしまえばいい。
「そんなに百合子が好きなら光陵高校に来ればいいのに」
前と変わらず穏やかな笑顔。だけど……心なしか、目が笑ってない。
「ウチは白河受けろって言うんで…」
「はぁ…」と大きな溜め息を吐いた茂木に、みんなで笑ってしまった。
穏やかな。穏やかな一日に、俺は幸せを感じていた。
少しずつこうやって楓との距離が近付いていけば………
―――そんな夢を、描いていた。
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