ハチミツ×シュガー
修学旅行に必要な物を買いに、初めて楓と二人で行く日。
父さんと母さんは親戚の不幸があり、二人で朝から出掛けていた。
「楓、行くよ」
「うん」
二人で玄関で靴を履く。
「買うものメモした?」
「うん」
「じゃ、行くぞ」
ドアに、手をかけた時―――
プルルル………プルルル…………
まるで電気が走ったように、体が震えた。
「私が出るよ」
「いい!
……俺が出る…」
俺の大きな声にビクリと体を震わせる楓。
俺は嫌な予感を断ち切るように、楓に優しく微笑んだ。
「すぐ戻るから待ってて」
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